日本企業に広がる“ジョブ型雇用”:評価される人・されない人の違い
「あなたの“ジョブ”は何ですか?」
これまで日本の職場ではあまり聞かれなかったこの質問が、今や多くの企業で現実のものになっています。
“ジョブ型雇用”
――それは、社員を「人」ではなく「仕事の役割」で評価する雇用制度。
欧米では一般的なこの仕組みが、いま日本でも急速に広がっています。
なぜこの流れが起きているのか?
そして、“評価される人・されない人”を分けるものは何なのでしょうか。

「ジョブ型雇用」とは何か
従来の日本的雇用は“メンバーシップ型”。
会社というチームに入ってから、異動・配置・教育を通してキャリアを形成していくスタイルです。
一方、ジョブ型雇用では、「あらかじめ職務(Job)が定義され、その内容に応じて人を雇う」という考え方が採用されます。
つまり、
・会社が「あなたに何をしてもらうか」を明確に定義
・給与は“職務の価値”に基づいて決定
・配置転換や総合職ローテーションは原則なし
という形で、「人」よりも「仕事」に軸が置かれるのが特徴です。
なぜ今、“ジョブ型”が求められているのか
この動きの背景には、3つの大きな変化があります。
グローバル化と成果主義の加速
海外では役割・成果に応じた報酬が当たり前。
日本企業も国際競争力を保つため、職務基準の評価を導入し始めました。
リモートワークの定着
「いつ・どこで・どう働くか」よりも、「何を達成したか」が重要に。
曖昧な“勤勉さ”ではなく、アウトプット重視の文化に変わりつつあります。
人材流動化とスキルの明確化
転職・副業が一般化する中で、「自分のスキルを市場で説明できること」が求められています。
ジョブ型はまさにその“スキルの見える化”を支える仕組みなのです。
“評価される人”と“されない人”の決定的な違い
ジョブ型の世界では、「努力」や「勤務年数」ではなく、成果と再現性がすべてです。
そのため、評価の軸も大きく変わります。
“評価される人”とは、次の3つを持っている人です。
自分のスキルを“言語化”できる人
「何が得意か」「どんな価値を出せるか」を説明できることが第一歩。
成果を“数値”で語れる人
曖昧な頑張りよりも、「どれだけ成果を出したか」「どう改善したか」を見せられる人。
学び続ける人
ジョブ型では職務が固定される分、スキルの陳腐化が早い。
学び直し(リスキリング)を継続できる人ほど市場価値が上がります。
「評価されない人」に共通する落とし穴
一方で、ジョブ型に馴染めず評価が下がる人もいます。
それは、“役割を与えられる前提”で動く人です。
「上司が決めた仕事をやる」
「言われたことを正確にこなす」
――これでは、職務の“主体者”とは見なされません。
ジョブ型では、自分の職務を自ら定義し、改善・拡張していく姿勢が求められます。
つまり、“待つ人”よりも、“提案する人”が評価される時代です。
ジョブ型社会で生き残るためのヒント
自分の職務定義書を作る
「自分の仕事は何で、どんな成果を出すか」を明文化する。
会社任せではなく、自分主導で“ジョブを設計”することがポイント。
ポートフォリオを更新する
スキル・実績・プロジェクト成果を可視化し、いつでも提示できる状態に。
学び直しを“戦略的”に行う
AI、データ分析、プロジェクト管理など、市場価値の高いスキルを優先的に磨く。
“自分の価値を説明できる人”が生き残る
ジョブ型雇用の本質は、「冷たい成果主義」ではありません。
むしろ、“自分の強みを社会にどう提供するか”を明確にできる仕組みです。
「与えられた仕事をこなす人」ではなく、「自分の仕事を設計できる人」こそが、ジョブ型時代の主役です。
【今日のサクッとチェック!】
評価される人は「自分の強みを言語化・数値化」できる人!